エレクトロニカ・詰め合わせ 3
ニコニコ動画のアカウントがある方はこちらからどうぞ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3335887
曲解説
- 01. Mr. Projectile - You Need
ちょっと音が悪くて、抜群の透明感がなくなってしまってる感が
あるが、抜けの良い女性ボーカルが残響たっぷりに響く中、切り裂くような
ノイズがかかり、スピーディに展開。とてもキャッチーな1曲。
収録アルバムはMerckからリリースされたSinking。もっとも、ボーカル入りは
この1曲だけで、他の曲は幻想的なシンセと、強いビートの取り合わせ。
音が美しいので、ぼけーっと陶酔出来る。多分、レーベルSemisexualを運営。
http://www.semisexual.com/
- 02. Planet Boelex - Windbreak
ネット・レーベルを中心的に活動。という事はどういう事かというと、
音源はフリーで取れるという事だ。この曲もそうで、高いクオリティなのに
無料なのが申し訳ない気持ちになる。けど嬉しいw
メインのメロディを奏でるシンセと、サイドで使われる広がりのある
シンセが絡まる噛み合わせが素晴らしい。
http://www.archive.org/details/mtk147
http://www.myspace.com/planetboelex
- 03. Bola - Forcasa 3
浮遊系エレクトロニカの中で、ど定番ともいえる曲。特にBolaといえば
これ、て感じがする。この人はAutechreに技術的な手ほどきをした、
とも知られている。
シンセの音をビートに組み込んだり、ビートと上モノの融合具合が
他のアーティストとは一線を画しており、沈み込むような曲が多い。
収録されている1stアルバムのSoupは廃盤状態で、プレミアがついたが、
2003年にリ・マスターされて再発された。
- 04. Ochre - Rem Sleep Research
名門Toytronicから、レーベル・カラーにマッチしたアルバム
A Midsummer Nice Dreamをリリースしたこのアーティストは、レーベルが
沈黙を続ける中、現在はBenbeculaに活動の場を移している。
透明で綺麗なシンセとトゲはないものの、硬質な打ち込み
ビートが相まって心地良いサウンドを奏で、優しく丁寧な作りが魅力。
自身のサイトでは未発表音源をmp3で公開しておりーと思ったのに、
リニューアルに伴い、全部mp3販売形式に変更したみたいだ。ゼルダの伝説の
Remixがあったりと、中々良い曲が拾えたんだけど。試聴は自在なので
それで聴くのもありか。1セット2ポンドらしい。あ、Remix集は無料らしい。
が、このmp3販売の手続きをしないといけないのかー、ちょっと面倒だな。
http://ochremusic.com/
http://www.myspace.com/ochre
- 05. Jega - Geometry (μ-Ziq Remix)
エレクトロニカにハマりこむきっかけとなった曲。もしかしたら一番
聴いてる期間が長いんじゃないだろうか。原曲を大幅に残しつつ、
メロディ・メーカーのμ-Ziqがさらに手を加えたのがこのRemix。
幻想的な上モノを伸びやかに使い、キックはひたすら同じビートを打つ中、
ハイハットとスネアは変幻自在に音を変えていく。
Jega自身はこの手の曲は珍しい人で、陰鬱なアシッド・ブレイクビーツな
感じの曲が多い。のだけど、たまにこんな曲があったりするので、意表を
突かれる。2000年の同タイトル・アルバムのリリース以後、活動がぱたっと
途絶えているが、最近はmyspaceで動きがあったり、wikiの項目で2008年に
新譜がリリース?という記述があったりと、個人的に楽しみ。
http://www.myspace.com/jegavariance
- 06. Mosaik - Rubik
こちらも02と同様にネット・レーベル主体で活動。
冷たい感じの音色と、厚めで打ち付けるキックとうごめくベースの低音、
そして残響する上モノを中心に、中盤から展開していく。
元々Radixという名義で活動をしていたが、名義が変更してからは
漂う感じのアンビエントな作風になった。それまではゲームみたいな
ロービットのシンセで温かみのある音楽を聴かせてくれていて、
そっちも良かったりする。
http://www.mono211.com/content/releases/mtkmp66.html
http://www.mosaik.se/
- 07. Praveen - Small Clues
クリスピーでソフトなIDM系レーベルExpandingの7"シリーズが
初見のアーティストは、WarpリスペクトなAiのコンピStationで
大化けを期待させるこの曲を聴かせてくれた。
のだが、待望の1stアルバムはビートが弱いマスタリングをしてくれる
Neo Ouijaによって、激しくアンビエントな作風となり、以後は
自身もその系統に進んでしまった。この曲のように美しく幻想的な
シンセと、タイトに刻まれる強めのビートの融合具合が、かなり好きな
感じだったため、個人的にがっかりである。が、アルバムBackey By Spiritsは
アンビエントなアルバムとして聴くと、儚く美しい繊細なサウンド。
現在は活動レーベルを探している模様。
http://www.praveensharma.com/
http://www.myspace.com/praveen
- 08. Jello - O'verb
Bolaの別名義で、声を要素として取り入れたり、シンセがよりきらびやかに
なっていたり、という違いがあるものの、音の細部まで徹底して
練られた具合は変わらない。アルバムはVoileから。
あ、このアルバムを久しぶりに聴いたら05のPequillがピアノ全開で
とても綺麗。個人的な好みだが、ピアノに弱かったりするので、
いずれピアノ系のまとめとかも作ってみたいなーと思ったりして。
Bola好きならこっちの名義も良いんじゃないかと。
- 09. Christ. - Absolom (for Lucy)
最後の締めは何にしようかなーと悩んだ結果、元Boards Of Canadaの
メンバーであったChrist.に決定。Pylonesque EPに収録されている。
ゆれ動くサイケ要素の強いシンセといい、全体的にこもった処理が
施されてドリーミーさアップ。BOCとはまた違うトリップ感がある。
が、高音域が強く、若干耳が痛いかもーというのがこの人の作風だ。
昨年リリースされた2ndのBlue Shift Emissionsはかなりの力作で、
個人的に07年ベスト入りしている。BOC好きじゃなくてもお勧め。
http://www.myspace.com/christhyperact